中学受験で暗算力を高めよう!分配法則を用いた計算技術

算数
写真はイメージ ©ヘイヘイ

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頑張り男子
頑張り男子

もっと計算力を高めたいなぁ。他の子は僕よりも計算が早くて。やっぱり努力じゃなくて、もともとの頭の良さなんでしょうか?

すろーす先生
すろーす先生

計算力は早ければ早いほどいいし、頭の良い子は計算技術を自然に身につけているんだ。その計算技術さえ覚えれば十分対抗できるよ。今日は、それを教えていくよ。

中学受験の算数では、計算力が土台。もちろん進学塾でも計算は重視しています。

ですが、算数が苦手なお子さん。あるいは、毎日計算問題を解く習慣がない子は週1~2の授業では圧倒的に足らない。

一方、勉強ができる子は、常に「もっと早く正確に計算ができないかな」と頭を働かせ、計算技術を自然に身につけています。たとえば、大数学者のガウスは、

1+2+3・・・+99+100の計算を、1+100=101,2+99=101となり、その101のカタマリが50個ある。よって、101×50=5050であることを、習わずとも幼少時に一瞬で答えてまわりの大人をびっくりさせたというエピソードがあります。

ただ愚直に筆算を繰り返して計算するような求め方を、勉強のできる子は絶対にしません。計算技術を磨いています。

できる子とできない子のギャップをどう埋めていくのか。大手進学塾ではそこまで指導カリキュラムを用意できていないという現実があります。

今回は、中学受験の計算力において、暗算力向上の計算技術をご紹介します。

掛け算の計算技術

算数ができる子=計算が早い子と言っても過言ではないでしょう。

しかし、算数が苦手なお子さんでも、得意な子が自然に行っている計算技術を教えることでその差はだいぶ埋められます。

掛け算を上から計算する

たとえば、計算ができる子が日常的に行っている「掛け算を上から計算する」という方法。つまり、

48×7を計算するにあたって、40×7は280,8×7は56。よって、280+56=336と計算することを意味します。「上から計算」とは、大きい数から計算していくということです。暗算で解けますね。

一方で、NGな計算方法として「下から計算する」方法では、

筆算で行っているように、8×7を計算し、56。次に、ええっと40×7かな・・・となってしまい、暗算では整理できずに、筆算で計算してしまうことも。下手すれば間違ってしまう。

この「下から計算する」やり方では、必要とされる中学受験の計算力に到達しません。

二ケタ×一ケタ程度の掛け算は暗算で行わなくてはなりません。どのように頭を使っていくのかを、算数が苦手なお子さんには教える必要があります。

分配法則を使いこなそう

中学1年生で習う「分配法則」も習得しましょう。

分配法則:(□+△)×〇=□×〇+△×〇

48×7という計算問題を(40+8)×7と分解し、40×7+8×7=280+56。足し算して336だなと計算できるようになりましょう。

はじめはノートに書きながらでもよいので、分配法則を使って計算する訓練が必要です。

このような計算の流れを身につけることで、二ケタ×一ケタの掛け算を自然に暗算で解けるようになります。私は、このように指導し、子どもたちの計算処理能力を高めています。

(□ー△)×〇=□×〇ー△×〇も使いこなそう

先ほどの問題、48×7ですが、他にもっと早い計算方法があります。こちらも分配法則を使った計算方法です。

48は50に近いですよね。つまり、(50-2)×7とし、50×7は350。その350から、2×7(=14)を引いてやります。これで350-14。答えは336です。

このような計算方法も、計算が早い子は自然に行っているようです。たとえば、99×9という計算も、(100-1)×9とし、900から9を引いてやる。891と一瞬で答えます。

分配法則の②:(□ー△)×〇=□×〇ー△×〇

求められる中学受験算数の計算力とは、ある程度の暗算力を意味します。

2022年には、一般の小学生も読者層にして書かれた計算本、『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』がベストセラーになりました。

19×19など、すなわち1〇×1□というような、十の位が1の二ケタの掛け算同士を暗算で解く計算技術(おみやげ算)を紹介した著書です。

上記の著書で紹介されているものは、分配法則とはまた違ったものですが、身につけておかなくてはいけない計算技術の一つ。

大手進学塾のみならず、他の計算に関する参考書でも一般的に紹介されています。

ですが、まずは分配法則の計算技術を身につけて、二けた×一ケタ程度の掛け算であれば、暗算で計算する。正確に計算できるようになることが大切です。

中学受験で身につけるべき計算技術に関しては次の著書もおすすめです。ご参考までに。

まとめ

IQという知能指数のほかに、EQという心の知能指数というものがあります。

Emotional Intelligence Quotientの略称で、端的に言えば「粘り強さ」「セルフコントロール」を意味します。非認知能力とも。

難しい勉強をすぐに投げ出さない。面倒な計算もあきらめずに、最後までやり通す能力のこと。塾講師の会話の中にもよく「あの子は、勉強は苦手だけれど、がんばれる子だから大丈夫」という声が聞かれます。

この「がんばれる」というのがEQが高いということです。確かにEQの高さは中学受験のみならず、何事においても大切なことです。

しかし、どんな計算でも愚直に筆算を行うのは賛同できません。「間違ったら嫌だから」と、延々と筆算を行ってがんばって解くという姿はほほえましくもありますが、

最近の共通テストの傾向と同様に、以前にも増して中学受験は算数、国語ともに「スピード」が求められております。

スピード、つまり処理能力の高さです。計算時間を短縮できれば、その分、問題の解き方を考える時間が作れるのです。

ぜひとも、計算力向上を目指し、暗算力を磨いてほしいです。最後までお読みいただきありがとうございました。

※中学受験の計算技術に関して、教材選びから方法まで別記事でも解説しておりますので、ご興味がある方はぜひご一読ください。

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