百マス計算では測れない計算処理能力とは!?

算数
写真はイメージ ©craftbeermania

※本記事内にADを含みます。

頑張り男子
頑張り男子

計算問題を頑張って毎日解いているんだけど、やっぱり遅い。もっとすらすら解けるようになりたい。どうすればいいでしょうか?

すろーす先生
すろーす先生

毎日計算問題に取り組んでいるだけで偉いよ!前回、計算の工夫に関して説明したけど、今回はもう少し掘り下げて説明していくね。

この記事を書いている人:中学受験専門の集団塾、個別塾などを経て、現在社会人のプロ中学受験家庭教師。算数が苦手な子に対し、独自のメソッドで算数の偏差値を上げることに熱中しております。

♦百マス計算は無意味か!?

算数が伸びないお子さんは、計算処理能力の低さが足を引っ張ている。これは間違いありません。頑張り男子君のように、毎日計算問題に取り組む。

もちろん、これも一つの方法です。以前はカメのごとく計算速度が遅いと嘆いていた我が子が、いつの間にか早くなっていた。

毎日、健気にも問題集に取り組んでいたおかげかなと感じる保護者の方もおられます。そういう成功した場合は良いのですが、どうしても努力が続かない。計算速度が上がらない。

低学年の頃は、百マス計算をご家庭でしっかり取り組んでいた。昔は計算がもっと出来たイメージがあったんだけど。そんなお声もよく頂戴します。

そんなお子さんもたくさん見てきました。私自身、いろんなお子さんを見てきましたが、いまだ結論は出ません。ですが、やはり「見る力」が弱い印象を持ちます。

例えば、こちらのワークシートを一度取り組んでみてほしいのです。

引用元:北出勝也著『学習・運動が好きになる 1日5分!眼と体を楽しく動かす ビジョントレーニング・ワークブック』(ナツメ社/2020)

♦中学受験を諦めてしまう前に、一度取り組んでほしい

どうでしょうか。こちらは、私が本ブログにおいて、何度かご紹介しているビジョントレーニングのワークシートのひとつです。

勉強が苦手なお子さんは、視覚機能が弱く、情報のインプット機能に若干問題を抱えているのではないか。それが私の仮説の一つです。

百マス計算と違って、上記のワークシートは左右に素早く目を動かして、どんどん計算を楽にしていかなくてはスムーズに解けません。

具体的にご説明すると、ワークシートの一番上にある問題。6+3ー6+4ー7+1=(答え)という問題は、頭から「6+3は9で、9-6は3で、それで~」と計算していくのではだめです。

左右に素早く眼球を動かして、6はひとつ右隣のー6と相殺されて消せる。+3と+4も、右にあるー7と相殺して消える。それで+1だけが答えとして残る。

このように解けば、もっと素早くスムーズに答えにたどりつきます。

♦まとめ

私の経験上、算数が苦手(=勉強が苦手)なお子さんの多くは、上記のワークシートを全問正解するどころか、時間もかなりかかります。

1分以内に解けることが目標です。百マス計算は優れた計算演習だと思いますが、眼球を左右に素早く動かす視覚機能のトレーニングはできません。

勉強のできるお子さんと苦手なお子さんでは、眼球の動かし方がまったく違います。上下左右に小刻みに眼球を動かし、あらゆる情報を何度も脳にインプットする。

遺伝、知能指数の問題も当然あります。勉強のできるお子さんにとっては、上記のワークシートなど意味を成しません。できて当然だからです。

視覚機能のトレーニングを積むことで、ある程度は対抗できます。「以前よりも計算がやりやすくなった」「情報を拾えるようになった」そんなお子さんのお声も頂きます。

遺伝や知能の問題は確実に存在しますし、中学受験は早熟天才型のお子さんの戦うフィールドであることは間違いありません。

ですが、ただひたすら勉強時間を積み上げるやり方では、お子さんが精神的に参ってしまいます。

そして、いろいろな勉強の工夫を考えていくことは今後の人生において不可欠です。お子さんは、自分に最適な学習方法を会得しなくてはいけないのです。そんなお子さんの手助けとなれる情報を少しでもご提供できれば幸いです。

※上記でご紹介したワークシートは、下記の2冊目のワークブックの方です。ご興味、ご関心をお持ちの方はぜひ。

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