中学受験国語に読書は必要?もっとコスパがよい方法は○○?

国語
写真はイメージ ©エリー

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教育ママ
教育ママ

うちの子は少しも読書しないで、漫画ばっかり。やはり、読書好きの子の方が成績もいいし。語彙力もあるし・・・やはり中学受験に読書は必要??でも、読めと言っても読まないし。

このような疑問にお答えします。

まず結論から言うと、読書好きな子は知的好奇心も強く、当然知能も高い。国語含めて、勉強ができるのは確かです。語彙力と読書には高い相関があるでしょう。ですが、もっとコスパが高い方法として、私は、読書の代わりに音読をお勧めします。塾の教材、市販の中学受験の教材でも構いません。問題は解かなくてもよいのです。問題を何十分もかけて解くよりは、何回も本文を音読した方がはるかに学習効果が高いです。

読書好きな子=国語が得意、というわけではありません。特に、中学受験の国語は、漢字やことわざなど知識問題、難解な説明文を含む読解問題の二つ。知識問題に関しては読書量も影響しますが、

読解問題は読書量と比例しません。特に、説明文は、お子さんが普段読む物語文とはまったく違います。

学校の図書館の図書をたくさん借りてくることよりも、中学受験国語の文章問題の本文を何度も音読させた方がコスパが良い方法です。

今回は、低学年の家からできる国語の文章読解力の伸ばし方をお話しします。

この記事を書いている人:集団塾、個別塾などを経て、中学受験専門の社会人のプロ家庭教師。国語が苦手なお子さんは、当然読書も嫌いです。読書好きにするのも一つですが、いろいろなアプローチで国語力を伸ばすことに熱中しております。

音読学習のすすめ

もちろん読書効果を否定してはいません。読書が好きなお子さんは、時間の許す限り、いろいろなジャンルの本を手に取ってほしいです。

ですが、読書嫌いで国語が苦手。そのようなお子さんには、読書はハードルが高いのではないでしょうか。そんなお子さんには、中学受験用の国語の問題集の音読をおすすめします。

教材の選び方

塾の既習済みの文章問題、あるいは市販の教材を手元に用意しましょう。

塾のテキストを使用する場合は、まだ未学習の単元はやらなくていいです。もうすでに解いてきた文章読解の本文を選びます。

実際に入試で読む文章量も想定すると、何百ページの大著を読む必要はありません。実際にちょうどよい文章量となっているのは、中学受験の国語の教材・問題集です。

その点でも、音読教材として中学受験の教材を選ぶことはおすすめです。

学習法

お子さんの国語力や学年によってやり方が違ってきます。

低学年は交互読みおすすめ

低学年で、お子さん一人で読むのが大変そうであれば、交互読みをするのもよいでしょう。

交互読みに関しては、こちらの記事、”【危険】国語の文章読解 音読すらできない 現役講師が語る原因と対策”でも触れております。

文章題横に〇を10個

お子さん一人で文章が読める場合は、

文章題の本文横に、保護者の方が〇を10個ほど書き込んでやり、1回読むたびに子どもが黒く塗りつぶしていく。毎回音読チェックしなくてもよいですが、1~2度は保護者の方が直接確認してほしいです。

文章を読むスピードが自然に上がってきます。もうすでに一度解いた問題なので、子どももそれほど抵抗はないだろうし、何度も読み返すことで理解力も深まります。

塾で習ったことの理解が深まる

「あぁ、塾の先生がこの問題は〇〇がキーワードで、登場人物の××君の気持ちの変化を読み取らなくてはいけない」と言っていたけど、こういうことなのかぁ。そんな風にハッと理解が進むことも多い。

国語の勉強法で一番ダメなやり方は、とりあえず問題を解いて「やった気になる」こと。これが一番ダメ。

繰り返しますが、塾で既習済みの問題の本文を、何度も繰り返し音読させることが重要です。黙読では意外に読めていなかった部分も明瞭になります。

保護者の方が「第1段落のキーワードはなに?」「第2段落の〇〇という熟語の意味は?」と本文の理解、熟語を確認していくのもよいでしょう。

キーワードとは、その段落中で何度も繰り返し出てくる言葉のこと

もし、段落番号が振られていなければ、先に段落番号を書き込ませるべし。

熟語の意味も推測しながら

本文に出てくる言葉の意味も”まずはお子さんに考えさせ、意味を推測させること”も重要です。

それから、「どっちかというと、⊕それとも⊖の意味?つまり、ポジティブそれともネガティブ?○○の熟語の一つ目の〇は△△という意味だよね。」などと推測させ、最後にざっくりと教えればいいのです。

国語ができない子どもには、「わからない言葉は辞書で調べなさい!」と言ってもムダです(笑)。まずやろうとはしない。その点は、保護者の方が補うほうが効率的かもしれません。

音読学習は塾ではできない!?

音読学習の最後に、

・論説文であれば「筆者はけっきょく何が言いたいの?」
・物語文であれば「登場人物の○○さんはどんな風に気持ちが変わっていったの?最後はどんな気持ちだった?」と確認することをお勧めします。

こういう作業は集団塾ではまずできません。一人一人にそんなに構っていられないのです。集団指導は、塾講師としては「驚くほど時間が早く進み」ます。

一方、個別指導の塾でもできません。ワンルームに10ほどの席をブースでも配置し、すし詰め状態。音読などさせれば、周りの子にとって迷惑となる。

実は音読学習は、塾では意外に抜け落ちてしまうところなのです。

塾ではできないような学習を自宅でやる。これこそ学習効率を高める方法であるのに間違いありません。

塾の教材を確認すべし

その際、塾の教材を確認していただきたいです。本文や設問に〇付け・線引きがされているかどうか。されていても、どこにどのような線引きがされているのか。解答欄にしか記述がないような状態は、黄~赤信号といってよいでしょう。その子はいわゆる「漫然と問題に取り組んでいる」パターンです。

算数でたとえると、筆算など何も使わないで解いているに等しいです。

国語の文章読解の基本テクに関しては、別記事”国語が苦手な子は出来ていない!?国語文章読解の超基本テクをご紹介”でも触れています。

塾の教材が「キレイ」!?

塾に通塾されているなら、接続語・指示語チェック、本文や設問への線引きルールなどをある程度教わっているはず。

とはいっても、下位クラスのお子さんは、授業をまともに聞いていないことも多く、塾講師もある程度諦めて放っておくのが一般的です。

席の前の方にいる子だけしっかり聞いていくれればもうOKという世界。大手の進学塾の先生方を庇うわけではありませんが、集団指導は、ほんとに時間が足りません。

もし既習済みの単元にもかかわらず、解答欄しか記載がなく、本文や設問などが「キレイ」な状態であれば、ちょっと疑った方が良いと思います。すぐ塾に相談する。あるいは、セカンドオピニオンとしてプロの家庭教師に相談してみましょう。

まとめ

慌てて読書をさせるよりも、塾の教材を何度も繰り返し読むこと。音読チェックはもちろん、本文全体の読み取りや熟語の意味確認もしていただければと思います。

文章問題を解くには数十分以上かかるかもしれませんが、音読であれば数分です。既習済みの塾の単元の教材を、本文のみ音読させる。

既習済みの教材なので、塾の先生に習ったことをもう一度反芻する機会も持てるし、理解力も増します。非常にコスパが良い方法です。

勉強嫌いなお子さん、国語が苦手なお子さんでも取り組める方法。この点もポイントが高い学習方法ですね。

その際、塾の教材を確認し、本文・設問が「キレイ」な状態であれば、黄色あるいは赤色信号。算数で言えば、計算問題を筆算や計算術を使わずに、テキトーに答えを出している状態。

このままであれば国語の成績が上がることはほぼありません。塾に相談するか、あるいはプロの家庭教師にセカンドオピニオンを求めてもよいレベルです。

塾の先生の言った通りのやり方を「なんとなく」なぞっていくというレベルですらない。その子なりの読解ルールが何もできていないという、国語が苦手なお子さんの”あるある”状態となっていますね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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