うちの子は中学受験塾の落ちこぼれ?「勉強しなさい」は逆効果です!

中学受験のコツ
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教育ママ
教育ママ

うちの子は中学受験する意識が低すぎる。塾の先生からもっと厳しく指導してほしい。落ちこぼれている。

よく相談されることが多いです。お子さんのやる気が感じられないという嘆き。学力も低空飛行の状態をずっと続けている。

今回、私が想定する生徒さんのイメージは、

①授業中も常にふざける
②ノートも取らず、問題も解こうとしない
③まわりが勉強しているのに、自分もやろうとは全く思わない
④学力レベルが著しく劣っている(公立小学校の平均以下/模試の点数が10点未満)
⑤机に座って集中し授業を受けることがはなはだ困難である

大手進学塾では、生徒さんにハチマキを巻かせて、意識を変えたりもします。

実際に、親御さんから「うちの子がとたんにやる気を出してくれて、はちまち効果で(喜)」というお声もいただきます。

しかし、今回は、そんな生易しい話ではありません。

本当に勉強のやる気がない。本人と親御さんの意識が天地ほどにかけ離れている。”もうどうしようもない”と塾講師も半ばあきらめているケースを取り上げたいと思います。

もちろん成績も良いわけがありません。公立の学校のクラスで平均程度のお子さんにも学力で負けてしまう。

そういうお子さんの特徴を紹介し、今後どのように指導していくべきなのか、お話ししたいと思います。

この記事を書いている人:集団塾、個別塾など中学受験専門塾を経て、現在社会人のプロ家庭教師。

中学受験を撤退するのもひとつ

小1プロブレムという言葉があります。

小1プロブレム:授業中に歩き回ったり、先生の話を聞くことができなかったりと集団生活に適応できない状態を指します。

入学直後の児童が、急激な環境の変化に適応できないことが原因と言われております。

背景として、文科省は家庭のしつけの不十分さ、児童のセルフコントロールの弱さをあげています。

IQではなく、EQ不足か

ようするに、EQ不足です。

粘り強さ、精神的負荷の高い勉強を続ける集中力。あきらめない。こういう人間的な能力不足です。小1ならまだしも、小6でもこれと似たような状態が見られます。

『小6プロブレム』とでもいえばよいのでしょうか。

本来であれば、中学受験はもう断念すべきです。

そういう生徒さんの中には、他の生徒さんのモノを盗んだり、壊したりする子もおり、もう退塾させるべきでしょう。しかし、経営が不安的な個人塾では、そのようなお子さんもいつまでも抱えてしまうわけです。

大手個別指導塾に移る生徒さんもいます。

ですが、大手個別指導塾は、基本的に中学生の補習塾ですので、中学受験をする進学塾とは性質が違います。

しかし、他に受け入れ先がないために、そちらに通塾させることになります。

高校受験で勝負すべき

まずは公立中学の学力平均、あるいは成績上位を目指すべきです。

中学受験をあきらめ、高校受験での勝負に切り替えるべきということ。中学受験では戦略的撤退も不可欠です。その見極めが重要です。

もちろん「言うは易く行うは難し」であるのは百も承知です。

ですが、もはや高校受験を見据えて、公立中学での成績上位を目指すべきだと思います。

親塾あるいは家庭教師がおすすめ

唯一、中学受験をあきらめないという前提の中で、解決方法は、

親塾あるいはプロの家庭教師の先生に『ご自宅』でのご指導を任せること。

こういう子は、周りに「自分以外の生徒」がいると騒ぎだします。自分が受けている授業なんかどこ吹く風。

周りの生徒さんの迷惑にならないためにも、自宅学習で頑張るべきでしょう。

大手個別指導塾では難しい

個別指導塾の環境は、同学年の生徒さんが、一部屋にパーティションで区切られただけの空間で、他の先生から授業を受けています。

となれば、必ず「冷やかし」にかかります。そして、挑発するかのように「俺は〇〇よりかはましだ。○○はこんなことをしていた」と大声で。勉強などしたくないからです。

これでは授業自体が成り立ちません。

大手個別指導では、基本的に大学生の講師が担当します。さいきんは大手進学塾も個別指導を始めましたが、そちらでも大学生の講師を安く雇って授業をさせています。まず実りある授業をさせることは不可能です。

正直言って、プロ家庭教師の先生でも難しいと思います。同業者として社会人のプロ家庭教師の先生方とお話をする機会が多いですが、先生方の本音としても、

「もうこれはしつけの問題だから」と、自分の領域外であるというご認識をされています。

大手進学塾には入塾テストで入れず、個人塾でもクラスから外される。

併設している個別指導、中学生がメインの大手個別指導塾でも指導は難しい。唯一解決策となりうるかもしれないプロ家庭教師の先生も、勉強以前の問題だと突き放される。選択肢としてはやはり親塾でしょうか。

中学受験を続けるなら親塾!

親塾では、まず公立小学校の範囲をきちんと勉強させる。

小6までの漢字、分数の掛け算・割り算など小6までの計算をきちんと取り組む。

教材

教材としては、国語は漢字。算数は計算。まずはこの二つをこなすことです。

こちらの『漢字おぼえるカード』は、単語帳のように小6までの漢字をめくって覚えられます。ぜひおすすめです。”中学受験の漢字を〇時間で覚える”系の問題集などよりも取り組みやすいと思います。

算数に関しては、学校の教科書をきちんとこなしましょう。それを終えてから、中学受験レベルの計算テクニックとして、

国語力をつける

最低限の国語力をつけるには、音読学習が一番です。

保護者の方とお子さんで『交互読み』をおすすめします。学校の平均程度までは、この方法で自然と伸びていくものです。

『交互読み』に関しては、こちらの記事”【危険】国語の文章読解 音読すらできない子どもたち 現役講師が語る原因と対策”に指導方法を詳しく載せております。

国語力が基本的に壊滅している場合が多く、文章自体に『読み慣れ』をまったくしておりません。

お互いに一文ごとに読んでいき、順番を変え、読めるようになれば中学受験用の読解問題集を『音読材料』としてのみ使用してください。

これができれば、中学受験模試の国語で10点未満など、そうそう取れません。問題はやらせないように。無理なことはさせないように。”目の前ににんじん”作戦もよいでしょう。間違いなく、すらすら読めるようになればご褒美をあげてください。しかし、くれぐれも甘くならないように。またすぐにご褒美を求めてくるので、採点は厳しくしてください。

まとめ

私が家庭教師として依頼された場合は、ひたすら音読します。交互読みです。

漢字の書き取り練習など、絶対にできないのです。そのレベルのお子さんは、文字を書くということさえ、難しい作業です。

もっと作業のレベルを落とさなくてはいけません。家の中であまりにギャーギャーうるさい場合は、ご自宅の近くの公園でやらせることもありました。

まず普通の家庭教師の先生ではありえない方法です。しかし、ありえないお子さんをご指導するには、通常の方法では指導不可能です。

基本的に親塾をおすすめします。

正直、私が家庭教師を引き受ける際は、「うまくいく保証はまったくありませんが、通常ではない指導を徹底します。たまに、自宅の外でキャッチボールをすることもあるかもしれません。それでもよろしいのであれば、ご指導します」とお伝えします。

あるいは、ご家庭での指導方法を一緒に考えながら、次のことを実践します。

「難しい作業をさせてはいけない」
「勉強しなさい、とは決して言わない」
「そんなことを言う余裕があるのであれば、一緒に音読をする」
「もっと家の手伝いをさせる」

家の手伝いをさせたり、クラブ活動をさせたりと、社会勉強をさせる。電車に乗って買い物に行かせてもいい。最後までお読みいただきありがとうございました。

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