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塾でまったく成績が上がらないわ。お金もかかるし、もう塾なし中学受験をさせようかしら。塾だと遊ぶか、寝るかだし。この子は親が教える”親塾”の方が向いてるんじゃないかしら？
このような疑問にお答えします。
まず結論から言うと、親塾には大手塾に圧倒的に勝てるメリットが数多くあるということです。また、親塾でないと成績が伸びないお子さんも一定数いるのは事実。中学受験塾講師の私も、同僚と「この子は塾では無理。親塾の方がいいよね」という話をよくしたことがあります。
塾で成績が上がらないお子さんの特徴について述べますと、
・勉強に対して全く興味がないお子さん。塾に遊びに来ているようなタイプです。
・「遊ぶ」＝他の塾生への迷惑行為です。集団塾では、率先して先生いじりをし、あの手この手で授業妨害をします。最悪、塾内の個別指導に「出向」する。あるいは、退塾させられます。
・大手塾のカリキュラムは膨大で、進度も早い。それなりの地頭の良さと努力が必要です。後者は非認知能力とも言います。
・この粘り強さ、自制心という非認知能力が著しく低いため、17時から21時までの夕食を挟んだ通常授業についていけない。ノートも落書き、殴り書きをしている。宿題も提出せず。現役講師から言えば、「何のために塾に来ているのかわからない」状態のお子さんです。
他にも、塾のカリキュラムが早すぎてついていけない。その場合は転塾して、学習環境を変えるという選択肢もあります。
ですが、
本人の非認知能力の低さ。学習に対するやる気のなさ。塾で授業妨害をするなど、迷惑行為。
これら3点セットで観られたら、塾なし受験をする。親が直接教えるという「親塾」を選ぶ。あるいは、宝くじを当てるような感覚で、数多くの家庭教師の先生からお子さんに合った先生を見つけ出す。その2択しかありません。
オンラインで学べる中学受験も選択肢にあるかもしれませんが、よほど優秀なお子さんでないと小学生にオンライン学習は不可能です。
そもそも”だれか”の監視下でなければ勉強自体をしないお子さんなのです。
同様の理由で、オンライン家庭教師も難しいかもしれません。具体的にオンライン授業の様子をお話ししますと、
・まず脱兎の脱兎のごとく逃げだします。「トイレに行きたい」といって30分ほど戻ってこない笑。
・こういう場合も、画面の向こう側での出来事。もう先生側ではどうしようもできません。
・先生との相性次第である程度上下はしますが、基本的にうまくいかないとお考え下さい。
これらの点を踏まえ、親塾でしか成績が上がらないお子さんをもっと掘り下げてみていき、親塾だからこそのメリットもご説明したいと思います。
この記事を書いている人：集団塾、個別塾、複数の家庭教師登録サイトで中学受験指導歴5年以上。現在は社会人のプロ家庭教師。数多くの生徒を見てきた経験から、塾講師や家庭教師よりも、親塾でしか教えられないお子さんもいると考えています。
子どもの行動原理
小学生の子どもの行動原理には常に一貫したパターンがあります。
まず厳しく叱りつけて問題行動を減らす。弱化の原理といいます。
しかし、いずれ問題行動が戻ってしまうのが常です。復帰の原理といいます。あまりに厳しく叱りつけると思わぬカウンターを浴びせてくる場合も。反発の原理です。
子どもは他人から指図されることを極度に嫌う傾向があり、反発の原理はここから来ています。
どのお子さんもこのような行動原理に従って動いてはいますが、程度の違いはあります。
退塾処分となった生徒
大人しいお子さんは、弱化の原理が反発の原理よりも強く働くのです。一方、退塾させられるようなお子さんは、その真逆と考えられるでしょう。保護者の方は自分のお子さんの性格をある程度把握しているかと思いますが、人には家の外と内の顔があるように、「えっ。うちの子がそんな問題行動をしているんですか！」と驚かれる場合もけっこうあります。
教室の監視カメラが、間違いなく〇〇君が他の生徒さんのモノを盗んだり、カバンを水浸しにしたりといたずらをしている場面を捉えています。この生徒さんは退塾処分となりました。
しかし、保護者の方には、お子さんと自身を同一化し、自分が怒られているように感じるのでしょうか。かえって反発されるケースも。このケースから考えられることは、
・まず塾側と保護者との信頼関係が築けていなかったこと。保護者には以前から塾側に不満があったと思います。ちっとも成績が上がらないわけですから。これは塾側の問題点。
・一方、これを機会に、お子さんともう一度見つめ合って考える機会にしなくてもいけません。実際に、問題行動を起こしているのは事実であり、塾はともかくとして、他の家のお子さんに多大なご迷惑を掛けているのです。謝罪しなくてはいけない。
・社会性が生きていくうえで必要であること。その点は保護者の方がこれを良い機会として、お子さんにしっかり教えなくてはダメです。
・またお子さんと同一化しすぎています。”保護し養育”するうえで、客観的な視点を持たなくてはいけません。未成年の保護責任はきちんと果たさなくてはいけません。
自宅で教える
塾で問題行動を起こすほど、社会性が欠如しているお子さんは、塾での指導はムリです。体罰厳禁ということも知っており、先生を端から舐め切っているからです。
塾なし受験のすすめ
塾なし受験しかありません。親塾です。あるいは、1万歩譲って、家庭教師の先生に指導してもらうか。両者に共通している点は、
両者に共通しているのは、自宅で教えるという点です。自宅には他のお子さんがいないため、まず迷惑を掛けることはありません。
中学受験をあきらめる
第三の選択肢として、中学受験をあきらめることも一つ。最も重要なのは、「他人様の迷惑になるようなことをしてはいけない」ということ。
口を酸っぱくして何度も教えるべきです。もし他のお子さんにケガなど迷惑を掛けた場合は、そのお子さんの自宅まで一緒に謝りに行くこと。これができればOKです。よほど特殊のケースですが、
実際に保護者とお子さん、私も含めて謝りに行ったことがあります。「私も付き添いますから」と言わなくては、保護者の方は絶対に行こうとしないんですよ。だったら、私も行くしかありません。この一件をきっかけに、そのお子さんは以前より少し大人になってくれました。お子さんに何かを教えるときは、行動で示すのが最も有効です。「口でいうのではなく、行動で教える」こと。わが子を指導するための原則①です。
これは中学受験に限った話ではありません。
親塾が進学塾に勝つ！？
非認知能力に著しく欠けており、塾で全く成績が上がらない場合は親塾が一番良いと思います。
保護者の方でなければ、お子さんの社会性を育てることはできません。大手進学塾の先生、プロ家庭教師の先生でもできないことは”ここ”です。親塾が圧倒的に勝る点はここ。
この社会性、自制心という非認知能力の向上こそ、お子さんの成績向上を阻んでいる最大の要因です。必ず身につけさせましょう。
非認知能力を伸ばせるのは親しかいません。
親塾がコールド勝ちする
学校のクラスメートにいたずらをし、迷惑をかければ、その子に一緒に謝りに行く。そんなことは保護者の方にしかできません。他にも親塾が大手塾にコールド勝ちする点は、
じっくりと観察し、お子さんが少しでも集中して学習に取り組めた時間は？その学習を成り立たせた必要条件は？この子に適した学習法・指導法を考え、ひとつひとつ実践していく。試していく。「じっくり観察し、勉強をうまくできたときの状況を分析する」こと。わが子を指導するための原則②です。日頃からずーっと観察しておく。保護者の方でしかできないことです。
親塾のデメリット
一方で、親塾をする際に気を付けるべき点もあります。
親塾最大の危険性は感情的になりすぎること。「宝くじ1等が当たる確率くらいに思って指導する」こと。わが子を指導するための原則③です。
まとめ
自宅でしか指導できないお子さんは、親塾あるいは家庭教師しか選択肢に残りません。
わたしは親塾を推しますが、「じっくり観察」という点で、質の面ではプロの家庭教師の先生が勝るでしょう。
ですが、量の面では保護者の方(親塾)がコールド勝ちをします。ケースバイケースですね。また親塾のハードルとしては、
保護者の方がお子さんに時間を割けることができるのかという点。
経済力もそうですが、お子さんに使える時間の長さも”家庭の資源”のひとつです。また、
家庭教師の無料体験をときどきは利用してみるのも一つ。プロ家庭教師の先生であれば、セカンドオピニオンとして意見を聞くこともできます。指導法なども細かく教えてくれるでしょう。
もしわが子が以前よりは成長したなと感じれば、個別指導の塾に入れて、そこで少し「社会勉強」をさせるのもひとつ。
志望校を設定し合格を目指すことも重要ですが、大前提として、お子さんの人間的な成長の場を求めているわけですから。最後までお読みいただきありがとうございました。
上記のお子さんの場合は、親塾が一番よいと思います。ですが、お子さんの程度によって、ケースバイケースであるのも事実。一応、下記に私がお勧めする個別指導塾、家庭教師をご参考までに掲載します。
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